「ヒカルの卵」森沢明夫
たぶん卵料理が出てくる美味しい小説だろうなぁと思って手にしました。
森沢明夫さんなので、ほっこりは間違いなし!?
「ヒカルの卵」あらすじ
養鶏場を経営するムーさん。村の活性化と多くの人に美味しい卵を食べてほしいという思いから「卵かけごはん専門店」を開くことを決意。
村人たち、特に親友大吉の猛反対にもめげずに計画を突き進めていく。
そして、第2、第3の夢の実現のためにムーさんは奮闘を続けます。
ムーさんの夢は実現するのか!?
「ヒカルの卵」感想
森沢明夫さんの小説は1ページ目から暖かい気持ちにさせてくれます。
途中難解な事が起きても多分いい方向に動いていくんだろうなぁと思いつつ結末は私の想像を超えた結果になるところが森沢マジック。
このお話にはモデルが存在していて兵庫県富岡市にある卵かけご飯専門店「但熊」と青梅市にある養鶏場&販売所「たまご倶楽部」。
森沢さんはこちらに感銘を受けて小説にしたそうです。
今でこそ卵かけご飯がブームになっていますが、東京でだって卵かけごはんのみのお店なんて難しそうなのに、過疎化された村でなんて実際には無理でしょうなんて思って読んでましたが、モデルがあったなんてちょっと驚きでした。
ムーさんの口癖は「自分はツイてるから」。
斎藤一人さんの本で「ツイてる」と何度も唱えると実際にツイてることが起きるという内容を読んだことがあるけれどまさにそれを実践している感じ。
これだけ前向きだと確かに人生いい方向に進めることが出来るんだろうな。
なかなかやりたい事があっても失敗を恐れて進める事が難しいけれど何でもまずはやってみなくちゃですよね。
途中ハラハラさせられるところはありましたが、最後までほっこりした気持ちで、更にとにかく卵かけご飯が食べたくなりました。
卵かけご飯専門店「但熊」
人口約140人の小さな集落、兵庫県豊岡市但東町栗尾にあり、年間約4万人が訪れる卵かけご飯専門店「但熊」。
卵かけご飯ブームの先駆けとなったお店です。
養鶏農家の西垣源正さんが2001年に野菜直売所「百笑館」を開設。
お米が思ったよりも売れなかったので「卵かけご飯専門店」を思いつき試行錯誤の結果2006年に開店。
ロールケーキなどのスイーツのお店も「百笑館」で販売しています。
お取り寄せも出来るようなので最強の卵かけご飯試してみたいですね。
養鶏場&販売所「たまご倶楽部」
こちらは青梅市野上でやはりこだわりの方法で採りを育て安全で美味しい卵を生産しています。
店舗では卵の他スイーツや全国各地から厳選したこだわり食品を販売し、喫茶では卵かけご飯だけではなく、オムライスやカルボナーラ、卵サンドなどこだわりの卵を使ったお料理が楽しめるようです。
こちらもお取り寄せ可能です。
本の中の美味しい料理
当然卵かけご飯ですよね。
各所に美味しそうな表現が描かれているのですが、ネタバレにもなるので、こんなところでいかがでしょうか。
ムーさんが母親に卵かけご飯を食べてもらうシーンです。
「美味しい、すんごく、美味しい」
中略
かつて、こんない美味しい卵かけご飯を食べてことはない。卵とご飯それぞれの甘みと旨味が、なんとも言えず舌に優しくて、しかも、香りまで華やかだったのだ。
「ヒカルの卵」より引用
お母さんは今まで散々卵かけご飯食べてきたと思います。
ご飯の炊き方、かける醤油の味、そして自分の息子が大切に育てた鶏が生んだ卵。
色々な思いが詰まっていて、きっと最強の卵かけご飯なんだろうなぁと想像がつきます。
卵かけご飯って普通の卵でも充分に美味しい。
これ以上に美味しい卵かけご飯ってあるのかしら?
そんなに美味しいなら是非食べてみたいものですね。
まずはどちらかをお取り寄せして試してみたいと思います。
まとめ
最初から最後までゆったりと読めるし、スイーツも出てくるので、おやつを頂きながら幸せな気分で読める1冊です。
シビアな題材を扱う小説も面白いけれど、読後感が締め付けられるような気持になるよりは森沢明夫さんの小説のようになるべく幸せな気持ちになるような本が特に年齢を重ねていくと読書する幸せを味わえるような気がします。
やりたいことがあるのに足踏みされている方や卵かけご飯が大好きな方にお勧めします。
ポチッとしていただくとうれしいです。
よろしくお願いします。