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塩だけで煮るかぼちゃは確かに美味しかったです。「かぼちゃを塩で煮る」牧野伊三夫

「かぼちゃを塩で煮る」

 

書籍や雑誌、高校などの装丁や個展を行うなどの活躍をされている画家の牧野伊三夫さんの 

特にお酒飲みにはたまらないエッセイ集です。

 

作ってみたくなるレシピも満載なので、1冊の料理本ともいえそうな面白いエッセイです。

 

「かぼちゃを塩で煮る」内容

 

日常の晩酌のおつまみ、郷土料理に世界の料理と幅広くとにかくお酒に合う料理だけではなく、著者牧野伊三夫さん自身の日常の様子が描かれています。

 

レシピ本としても使えるし、単に美味しいものを紹介するというよりもタイトルの「かぼちゃを塩で煮る」に代表されるように普段の何気ないものを描いているところが読んでいて心地いいエッセイです。

 

「かぼちゃを塩で煮る」感想

 

随所に牧野伊三夫さんが日常作っているものの作り方が描いているのでレシピ本としても重宝します。

面白かったのは「アメリカの弁当箱」

アメリカのお弁当ではプロセスチーズ、ハムとりんご、パンの4つを詰めてハンカチに包んで持っていくという人が多いんだとか。

それを著者が真似をして晩酌の前菜にこの4つをお皿に持ってつまむのが日課になっていて、これを「アメリカの弁当箱」と呼んでいるのだそうです。

 

確かにベストな組み合わせですよね。

もうちょっと飲みたい時などにもいいかもです。

 

それから「ねりもの天国」も気になります。

竹輪、魚肉ソーセージなどのねりものをフライパンでカリッと焼いておろししょうが醤油やマヨネーズ、ケチャップなど添えて食べるというもの。

他にも何気ないものをさりげなく美味しく描いているので、全て真似したくなっちゃいます。

 

また牧野伊三夫さんの日常の晩酌の様子も興味深く、いつも食卓の傍らに七輪を置いて、夏は羊肉やとうもろこしを焼いたり、冬は湯豆腐や鍋などで楽しんでいるそう。

七輪は憧れるんだけど、換気とか火の不始末と何となく不安なので実現出来ないのだけれど、炭火で焼くだけで美味しくなるのだから生活に取り入れているのは羨ましい限りです。

編集者の鈴木るみこさんが最後に書き添えていますが、「趣味のいいくいしん坊」にエッセイ本をお願いしたかったとかで、確かに理想通り。

 

ちなみにキッチンの写真が添えられていますが、これがまた今時のお洒落なシステムキッチンではなくガスコンロが置かれた昭和のキッチンで、多分牧野伊三夫さんの自宅なのでしょうが郷愁をそそられます。

 

ご自身が描かれたイラストも味わいがあって、何度でも読んでいられるエッセイでした。

 

 

本の中の美味しいもの

 

たくさんあるので絞り切れないのだけど、まずは「かぼちゃの塩煮」

今までは砂糖と醤油で煮ていましたが、確かにかぼちゃ自体が甘いのだから塩だけでも大丈夫かもと思い記述通りに作ってみました。

 

ポイントは柔らかくなって水分が無くなったところで落し蓋をとり、水分が蒸発してチリチリ、パチパチという乾いた音に変わり、ほんのり香ばしいにおいがしてから火を止める。

分量の目安はかぼちゃ1/4個に対し塩小さじ1/2、水1/2Cほど。

 

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うん、これからは絶対塩のみで煮よう。

いつもは1~2個食べれば十分なのに、いくらでも食べられそう。

調味料ってついたくさん加えがちだけど、もう少し素材を信じてあげなくちゃねと反省しました。

 

もう一つ気になった料理が「ハギスとアイルモルト」という項のスコットランドの伝統料理「ハギス」というもの。

 

まずじゃがいもをゆでてつぶし、塩と黒コショウ、コリアンダー、セージ、ローズマリー、タイムなどのハーブをややきつめにかけた牛肉のミンチと玉ねぎのみじん切り、オートミールを混ぜ合わせて炒め、仕上げにシングルモルト・スコッチウィスキーをふるかける。これらマッシュポテト、蕪のみじん切り、炒めた牛肉の三つを皿に盛り、少しずつ混ぜながら食べる。本来は羊の内臓を用いるので、もっと臭みのあるものだろうかと思うが、この「憧れのハギス」はストレートで飲むウィスキーと実によく合う。

「かぼちゃを塩で煮る」から引用

 

何だか想像できる味のような気もするけれど何となく興味深くて実際に作ってみました。

 

「ハギス」作り方

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材料

(マッシュポテト)

じゃがいも    2個

牛乳       50g

バター      20g

塩、こしょう

    

牛ひき肉    100g

玉葱       大匙2(みじん切り)

オートミール   20g

オレガノ、タイムなど好みのハーブ又はミックススパイス 適量

塩、こしょう   適量

 

かぶ       1個

 

①じゃがいもは茹でて皮をむき、熱いうちにマッシャーでつぶす。

②牛乳、バターを加えなめらかにし、塩、こしょうで味を整える。

③フライパンにオリーブオイルを熱し、牛ひき肉を炒める。ハーブ類を加え、玉ねぎのみじん切り、オートミールを加え更に炒め、塩、こしょうをする。

④かぶは皮をむき、気持ち固めに茹でてからみじん切りにする。

⑤それぞれを皿に盛り合わせ、少しずつ混ぜながら食べる。

 

 

最近はハーブ類のスパイスが使い切れないことが多くて、オレガノ、タイムとあとはマキスマムというミックススパイスを使いました。

マキシマムはナツメグ、パプリカ、ローレル、オニオン、クミンなどが入っているので、ラム肉で作ったらもっとらしい味になるような気がします。

 

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この料理、単品で食べるとまあ普通なのですが、少しずつ混ぜて食べるというのが不思議に美味しいのです。

かぶの食感が引き立つのでかぶは面倒でも必需品です。

私は1cm各位のカットにしましたが、この辺りはお好みで。

マッシュポテトは大好きなので多めに作ってしまいましたが、2個作って正解。

あっという間になくなってしまいます。

 

レバーとかを合わせても美味しそうですね。

癖の強い味を好む方はスパイスも強めにしてください。

 

何てことはない料理なのですが、ウィスキーとの相性は抜群で一口食べるとまたという具合に思っていたよりも奥深い一品でした。

 

 

まとめ

 

まだまだ作ってみたい料理が満載です。

でもまずはともかく、かぼちゃを塩のみで煮てみてください。

何で今まで砂糖なんて入れていたのだろう・・・・。

 

 

 

 

 

これ1本あると何でも美味しくなる万能スパイスです。

 

 
 
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