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昔の味は美味しい!!「明治・大正・昭和のレシピで食道楽」小野員裕

「明治・大正・昭和のレシピで食道楽」

 

小野員裕(おのかずひろ)さんといえば、元祖カレー料理研究家で横濱カレーミュージアム初代名誉館長としてもご存じの方も多いのではないでしょうか。

その後もレトルトカレー「小野員裕の鳥肌の立つカレー」「横濱カレーミュージアム 究極のカレー チキン」を監修、これまでに食べ歩いたカレー専門店は4,000軒以上、飲食店は10,000軒を超えているという味覚も胃袋も鍛え上げた方と見受けられます。

 

そんな方が書かれた「明治・大正・昭和のレシピで食道楽」。

さて、どんなメニューが待ち受けているのやら。

 

「明治・大正・昭和のレシピで食道楽」内容

 

明治・大正・昭和に出版されたレシピ本に載っている、何だかよくわからない不思議な料理や気になるものを実際に著者が再現してみるというエッセイ本です。

 

カレー料理研究家ですので、最初はやはり「カレーの部」。

明治のレシピ本としての代表は村井弦斎の「食道楽」。

ライスカレーとしてレシピが記載されています。

疑問点は多々あって、そちらは著者がしっかりと指摘した上で作りやすいようにレシピ化しています。

意外と明治の時代でも今のレシピと極端に離れているわけではなく、チャツネやココナッツなんて手に入ったのかなと疑問に思うものも使われています。

 

カレー以外でも「和食の部」では「小鳥なんばん」とか、「国策雑炊」、「洋食の部」では「ハインビーフ」、「卵料理の部」では「ホースミーエッグス」、「卵けるせる」と摩訶不思議な料理が並びます。

 

すべて著者の小野員裕さんが作りやすいようにレシピにして、実際に作り、出来上がった料理の感想まで書かれているので興味あるものは同じように作る事が可能です。

 

 

本の中の美味しい料理

 

掲載されている全ての料理を作る事が可能です。

作ってみたいものは色々あるのですが、ほぼ現代と変わらないようなのだけど、気になったのは大正風情の「ミートソース」。

こちらは2003年に発行された「96歳 はいからさんのキッチンライフ」という本の中のレシピです。

明治生まれで、料理教室、料理学校の創校長を務めた藤木菊枝氏のエッセイレシピです。

 

比較的新しいので今とそう変わらないのですが、挽き肉を最後に入れて煮込むことと、ブランデーが入ることが特徴。

 

本来ミートソース(ラグーソース)は、みじん切のタマネギ、セロリ、ニンジンを炒めてトマトソースと合わせる。その後フライパンで挽き肉をステーキのように両面をこんがりと焼き付けて、ソースと合わせ煮込んだものがテッパンだと思い込んでいた。でも今まで食べていたミートソースとは違って、ブランデーの風味とそのコクがソースに深い彩りを添えている。そして挽き肉のふんわりとした食感は実に心地よくて、今まで出合ったことのないおいしさだった。

 

「明治・大正・昭和のレシピで食道楽」より引用

 

ということで私も実際に作ってみました。

 

 

大正風情の「ミートソース」 作り方

 

(材料)6人分

やや大きめのトマト   1個
タマネギ       大1個(中サイズなら2個)
バター        50g
ビーフブイヨン     1個
トマトケチャップ   大匙4
(トマトケチャップとトマトペーストを半量ずつ加えてもよい)
牛挽き肉      500g
塩           適宜
コショウ        適宜
ブランデー      大匙2

 

1.トマトは皮に軽く十字に切り込みを入れて、熱湯でさっと茹で皮をむく。輪切りにして種を取り1cm角のあられ切りにする。タマネギは細かいみじん切りにする。バターは5等分に切る。


2.鍋にバター4個を入れ、弱火にかけバターが半分溶けて泡が出てきたらタマネギを加える。最初強火でタマネギの水分が飛んだらトロ火にしてべっこう色になるまで炒める。


3.②にトマトを加える。茹で溶いたブイヨンをひたひたに注ぎ、残りのバター1個を入れトマトケチャップを加えて、タマネギとトマトの姿がなくなり、とろみがつくまで煮詰める。味を見て、好みの分量のトマトケチャップもしくはトマトペーストを足して甘みとコクを調節する。


4.③に牛挽き肉を加える。スープが多い場合は牛挽き肉700gに。火が通ったらすぐに火を止める。すぐに火を止めないと肉がふわふわにならないので注意する。塩、コショウで味を調える。


5.食べる直前に弱火で温め直し、ブランデーを加える。

「明治・大正・昭和のレシピで食道楽」より引用

 

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牛挽き肉のみで作ってあまり美味しくなかったら嫌だったので、合いびき肉を500g使用。

ポイントはバターを多めに、玉ねぎをしっかり炒める事と、しっかり煮詰める事。

挽き肉を加えたら火を入れ過ぎない事。

味を見てケチャップやトマトペーストを加えます。

塩味はしっかり効かせた方が美味しいです。

 

 

さて、お味のほどは?

 

タマネギを炒める手間はかかるけれど、材料はシンプル。

特に最後に挽き肉を加えるというのが衝撃的でしたが、そのことにより、確かにお肉がふんわりとして全体的に優しい味でした。

最後のブランデーが決め手となって、好みは分かれるところだけど、私はこのミートソースの方が好きかもしれない。

 

 

そういえば最近のネットニュースで、豚汁の作り方で野菜を煮込んだあとに豚肉を加えることでやはりお肉がふんわりと柔らかく仕上がるという記事が掲載されていましたが、通ずるものがありますね。

 

 

まとめ

 

あとがきにも書かれているのだけど、確かに今の料理は複雑すぎるのかもしれません。

昔のレシピは材料が手に入りづらい分、シンプルに作られています。

謎な料理も多いので昔の料理が全て美味しいというわけではないとは思いますが、今の作り方が全て正しいというわけではなく、疑問を持つことも大切なのだと実感しました。

 

他にも興味深い料理がたくさん掲載されているので、著者が美味しいと書かれているものはまた作ってみますね。

 

昔のレシピ、恐るべしです。

 

 

小野員裕さん著書の本です。

 

 

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