「女神のサラダ」 瀧羽麻子
タイトルに惹かれて何気なく手に取った1冊でしたが、宝くじに当たったような読後感。
とても心温まる本で多くの方に読んでいただければ心の疲労にも効くビタミン剤のよう。
とても素敵な小説でした。
「女神のサラダ」 あらすじ
農業や畜産に関わる女性たちの想いや悩みを描いた8つの短編集です。
夜明けのレタス
茄子と珈琲
本部長の馬鈴薯
アスパラガスの花束
レタスの嫁入り
月夜のチーズ
オリーブの木の下で
トマトの約束
タイトルもお洒落でしょう?
8つとも異なる物語なのですが、どこか繋がっているような雰囲気を漂わせます。
どの主人公も悩みを抱えつつも人の優しさに触れながら前に向いていく姿が素敵でした。
全て読後感は穏やかな優しい気持ちになれる珠玉の作品集です。
「女神のサラダ」 感想
読む前はそれほど期待していなかったのですが、とにかくすっごく良かったんですよ。
短編集だからサクッと読んで楽しめればいいかなぐらいで読み進めましたが、一つ一つ短いのに中身が濃くて読後感の後味がとってもいいのです。
出来れば一人でも多くの方に読んでいただきたい。
農業や畜産業にスポットライトを当てた小説ですが、多分描かれているよりももっと大変で、綺麗ごとでは済まされない部分は多いと思うのだけれど、現在の姿を考えるきっかけにもなるだろうし、実際にこういった仕事に転職を考えている人にも背中を押してあげられるのではないかしら。
最近昆虫食に補助金が投じられると話題になっていますが、どなたかも言っていますが、食の根本である農業、畜産、漁業にもっと目を向けていただきたいですよね。
一時期バター不足が問題になりましたが、今は牛乳の大量廃棄、鶏インフルによる卵不足等々、様々な問題を抱えています。
人手不足も含め、食に関わっている方は本当に大変。
昆虫食事業よりも援助してあげて欲しいと思いますよね。
とはいえ、そんな堅苦しいお話ではなく本当にほっこりとちょっと元気になって明日も頑張ろうかななんて思わせる1冊でした。
本の中の美味しい料理
どのお話も特に美味しい料理が出てくるというわけではないのですが、採り立ての野菜の瑞々しさが伝わって野菜を欲してしまいます。
特に最後の章の「トマトの約束」に出てくる野菜サラダは読んでいるだけで新鮮な野菜が食べたくなってきます。
夏美はフォークを持ち直した。しゃきしゃきと張りのあるレタスを咀嚼する。ほくほくしたじゃがいもも、ぷりっと太ったアスパラガスも、びっくるするほど味が濃い。たっぷりとかけ回された濃厚なオリーブオイルの風味に、さわやかなレモンの風味がからまり、素揚げの茄子とまろやかなチーズが微妙なコクを加えている。
「女神のサラダ」より引用
暖かくもなってきたことなので、新鮮な野菜サラダ、魅力的ですよね。
本当は温野菜で食べてほうが体にはいいはずなのに、何故か生野菜を食べると身体がシャキッとするような気がして、体の中にビタミン補給したなぁと実感します。
小説の記述通りの内容で作ってみました。
野菜サラダ
トマトはフルーツトマトで。
きゅうりは太めにカット、なすは素揚げ、アスパラガスはさっと茹でます。
じゃがいもも一口大にカットして茹でてあります。
あっ、でもモツァレラチーズ忘れちゃいました。
チーズがあるとコクが出てたんぱく質もとれるので入れた方がいいですね。
ドレッシングはシンプルに塩、こしょう、オリーブオイル、レモン汁、レモンの皮のすりおろしでレモン風味爽やかに仕上げました。
野菜サラダって改めて美味しいですね。
体が浄化されていくような感じ。
たっぷり採りたいものです。
まとめ
この本を通じて農業や酪農業に一人でも多くの方が興味を持っていただけたらいいですね。
心が疲れている方、新しい事にチャレンジされたい方、野菜愛に満ちた方にもおすすめです。
瀧羽麻子さん、あまり知らなかったのですが、たくさん出版されてました。
お気に入り作者さん認定で、他の小説も読んでみようと思います。
瀧羽麻子さんの最新刊です。
こちらも面白そう。
ポチッとしていただくとうれしいです。
よろしくお願いします。