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現代のホラーファンタジー「山亭ミアキス」古内一絵~ボクスティ(じゃがいものパンケーキ)

「山亭ミアキス」古内一絵

 

古内一絵さんは「マカンマラン」でご存じの方多いのではないでしょうか。

古内一絵さんの本は表紙デザインが綺麗で、本屋さんに行くと必ず手に取ってしまいます。

この「山亭ミアキス」もご多分に漏れず素敵なんですよね。

 

そして何とも不思議なタイトル。

その通り不思議なお話しなんです。

 

 

「山亭ミアキス」あらすじ

 

冒頭にいきなり幼児虐待。

その後のお話しは、悩みを抱える人が迷い込む、森の中にある「山亭ミアキス」が舞台。

ここに悪天候の雨宿りをすべく引き込まれる5人のお客。

それぞれに悩みや問題を抱え、湖で冒頭の女の子に出会い、猫にまつわるからくり時計を見てオーナーから童話を聞かされてその後は・・・・

実は美しいオーナーも個性的な従業員も化け猫。

禍々しさを感じる内容なのに、時々出てくる美味しい料理が効果的に使われています。

ホラーとまでは言わないけれど、なかなかのダークなファンタジーですが、最後は救われるお話しです。

 

 

「山亭ミアキス」感想

 

「山亭ミアキス」は宮沢賢治の「注文の多い料理店」を下敷きに描かれたものだそうです。

そういわれると納得の世界観。

怖ろしさを漂わせつつ、バンガーという料理長の作るアイルランド料理が色を添えます。

不思議な「山亭ミアキス」に入り込んだお客は謎めいた場所に怪しさを感じつつ、美味しいアイルランド料理で晴れ晴れとした気分に一新されます。

やはり美味しいものにはパワーがありますね。

「ミアキス」とは犬や猫の祖先のことなんだとか。

化け猫に幼児虐待。

暗く感じるけれど、そこに美味しい料理が描かれることで希望の光がすっーと照らされて読んでいても癒される部分です。

各章に冒頭の女の子が出てきて、どう繋がるのかなと思っていたら最後にこう来たかぁ~~という感じ。

でもやっぱり最後まで不思議なお話しでした。

 

 

 

 

本の中の美味しい料理

 

山亭のバンガー料理長が作る料理はアイルランド料理。

隠し味にギネスビールを使うというビーフシチュー、マッシュポテト入りのパンケーキ、ブランデーを垂らして食べる熱々のプディング。

アイルランドの代表的な祝日、セントパトリックディには、コーンドビーフと呼ばれる塩漬けの牛肉と春キャベツを一緒に煮込み、パセルとディルのたっぷり入ったホワイトソースをかけて物、アイリッシュオムレツ・・・・

 

 

アイルランド料理はなじみがないのですが、書かれてあるもの全てに興味津々。

 

ちょっと作れそうだし、朝食にいいかなと思ったのが。アイルランドのパンケーキ「ボクスティ」。

じゃがいもが入っています。

 

湯気を立てているパンケーキにナイフを入れる。一切れ含むと、口一杯にバターミルクのうまみが広がった。もっちり弾力のある食感は、普通のパンケーキとはまったく違う。

いつしか美沙は、夢中で料理を口に運んでいた。

「山亭ミアキス」より参照

 

 

じゃがいものパンケーキは昔一度作ったことがあるんですね。

その時はすりおろしたじゃがいもで、ちょっと重めで地味な味わいだったので、それきり作っていないのですが、茹でたじゃがいもと両方を加えて作るのがアイリッシュ風のようなので再チャレンジしてみました。

 

「ボクスティ」(じゃがいものパンケーキ)レシピ

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材料

約3枚分

 

じゃがいも   2個(200g)

薄力粉     80g

ベーキングパウダー  小匙1/2

卵       1/2個

牛乳      大匙3

塩、こしょう  適量

バター     10g

ナツメグ    適量

 

1.じゃがいもは皮をむき、半分をすりおろし、残りは茹でてマッシャーでつぶしておく。

2.薄力粉とベーキングパウダーはふるって、①に加え、卵、牛乳、塩、こしょう、ナツメグも加えよく混ぜる。

3.バターはレンジで溶かし加える。

4.フライパンに分量外のバターを入れ、生地をレードル1杯入れて、弱火にし、片面3分程ずつ両面焼く。

5.サラダや目玉焼き、ベーコンなど好きなものを添えて頂く。

 

じゃがいものすりおろしは軽く汁気を絞りました。

生地は柔らかめです。固かったら牛乳を足してください。

 

バターミルクの旨味ということで、バター、牛乳両方加えてみましたが、やはりバターの力は偉大です。

そのままでも充分味わえますが。サラダやベーコン、卵料理など添えたり、ケチャップやホワイトソースなども美味しいです。

生地にハーブを加えてもいいですね。

じゃがいもはすりおろしとマッシュと両方使うのでちょっと面倒ですが、レンチンすれば簡単ですし、マッシュが入ることでふっくら感が味わえると思います。

 

 

まとめ

 

やはり古内さんの作品は美味しい描写を上手く使っています。

アイルランド料理、美味しそうですね。

レシピ本もあるようなので調べて色々作ってみたいと思います。

 

 

 

 

文庫本出ましたね!装丁の色が赤とこちらも素敵です。