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ドラマと小説の違いは?「ハヤブサ消防団」池井戸潤~再現料理はケイチャン

「ハヤブサ消防団」池井戸潤 集英社

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先にドラマ観ちゃったんですよね。
中村倫也さん主演で川口春奈さんや脇には生瀬勝久さん、山本耕史さん、橋本じゅんさん、梶原善さんなどそうそうたるメンバーが脇を固めて、毎回思わぬ展開にハラハラドキドキしながら久しぶりにドラマを堪能しました。

 

とにかく池井戸潤さんの小説は何を読んでも面白い。
基本小説読後に映像を観るタイプだけど、ドラマと比較しながらの読書も俳優さんや景色を思い浮かべながらと楽しいものでした。

「ハヤブサ消防団」あらすじ

 

明智小五郎賞を受賞したもののその後の作品がパッとせず、ストレスを抱えていたミステリ作家、三馬太郎は東京での生活を捨てて亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住み、地元の人の誘いで消防団に入団。連続放火事件や住民の不審死など怪事件に巻き込まれながら太郎は真実を暴けられるのか!?

 

「ハヤブサ消防団」感想

 

池井戸潤さんの本は新作の「俺たちの箱根駅伝」以外全て読破しているんだけど、今までは金融界など企業小説が多かったのに、今回は殺人というミステリー要素が多く全く違ったタイプなので新鮮でした。

 

ドラマの視聴が先なので結末はわかっているのだけど、ドラマとの違いを楽しみながらほぼ一気読み。
特に後半はドラマとはだいぶ違う部分が多く、演出も派手目で小説の方が若干小さくまとまった感は否めないのだけど、どちらも甲乙つけがたい面白さです。

 

ドラマでは新興宗教団体の弁護士、杉森登の存在感が余計にドラマを面白くしていたので小説の方も期待していたのだけど、こちらは特に登場する場面はなく、それがちょっと残念でしたが、ドラマも小説も両方楽しめました。


「ハヤブサ消防団」舞台とロケ地

 

小説では「八百万町」という架空の町が舞台ですが、池井戸潤さんが岐阜県の出身ということで岐阜県八百津(やおつ)町がモデルとされ、放映終了後も町内は沸きに沸いているようです。
八百津町では「ハヤブサ・ミュージアム」が開館され「居酒屋さんかく」などドラマの舞台が展示されています。

hayabusa-museum-cp.jp


ロケ地は群馬県富岡市妙義町が中心で、下仁田町、甘楽町や上州福島駅、妙技スカイぱパーク、道の駅しもにたなどが登場しています。

 

 

本の中の美味しい料理

 

池井戸潤さんの小説ではあまり料理の描写はないのですが、「ハヤブサ消防団」では気になる料理「ケイチャン」が出てきました。ハヤブサ消防団の憩いの場所「居酒屋△(さんかく)」の名物料理です。

 

「オススメのものでお願いします」
「そんならまずーケイチャン、ひとつ!」
といきなり勘介は不思議なものを注文した。
「ケイチャン?」
壁に貼られたメニューでみつけた。「鶏チャン七五〇円」だ。
「鶏肉を甘辛く焼いたやつやな」
と滝井が説明してくれる。「豚(トン)ちゃんってあるやら。そのニワトリ版やね。この店のは内臓も入っとるで」
「なるほど」
聞くほどに酒が進みそうである。

「ハヤブサ消防団」より引用

 

 

ドラマでも確か新興宗教の弁護士杉森が名物料理「ケイチャン」を頼んだのだけど店主に断られるというシーンがあったのを思い出しました。

 

私も知りませんでしたが、「ケイチャン」は岐阜県下呂市を中心とする南飛騨地方や郡上市を中心とする奥美濃地方の郷土料理です。醤油や味噌をベースにしたタレに漬け込んだ鶏肉をキャベツなどと一緒に焼いて食べるシンプルな料理です。

 

 

他にもやはり居酒屋△にあるメニューで「アブラゲ」というのも超気になります。
いわゆる油揚げの事なんだけど八百津町の油揚げは三角でふっくらしてて何とも美味しそう。

kankou.yaotsu.jp

 

 

再現の方は「ケイチャン」で。作り方は簡単なので早速チャレンジ!!

 

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「鶏チャン(ケイチャン)」レシピ

 

材料(2~3人分)

 

鶏もも肉      1枚

キャベツ     1/6個

ニラ       1/2束

(A)

赤味噌      大匙2

酒        大匙2

砂糖       大匙1

みりん      大匙1

醤油       小匙1~2

生姜        1片(すりおろし)

にんにく      1片(すりおろし)

豆板醤     小匙1/2 

 

胡麻油       適量

 

1.キャベツはざく切り、ニラは3~4cm長さにカットする。

2.鶏もも肉はひと口大に切る。Aの調味料を合わせ、鶏もも肉をよくもみ込み、そのまま冷蔵庫で3時間ほど漬け込んでおく。

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3.フライパンにごま油をひき、②を汁ごと入れて5分位鶏肉に火が通るまで焼く。

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*結構油が跳ねるので蓋をした方がいいです。

4.キャベツを加え、蓋をして蒸し焼きにする。しんなりしたらニラを加えさっと炒め合わせる。

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5.器に盛り付けて出来上がり。

 

 

いや~~、もうビールがすすむこと・・・ビール泥棒間違なし。
味が濃いので勿論ご飯にも合います。

鶏肉は胸肉でもOK。調味料に漬けるので胸肉でも柔らかく食べられます。
赤味噌を使いましたが、お家にあるもので充分。信州味噌の方が味が優しくなるかな。
赤味噌の味が強いので醤油の量は加減してください。
玉葱やきのこなど他の野菜を加えてもいいし、小説のように内臓を加えても美味しそうです。

 

ちなみに通販でも購入出来ます。
既に鶏肉が漬け込まれているので、あとは野菜を加えてフライパンで焼くだけというお手軽さです。
本場の味を知るならまずは買ってみるのもいいかもしれません。

 

 

 

まとめ

 

「ケイチャン」いかがでしたか?
飛騨高山のB級グルメなんですね。小説を読んで地方の名物を知ることも読書の醍醐味かもしれません。
願わくば私も「居酒屋△」の常連になりたいものです。
アブラゲも食べてみたい・・・・・。

 

池井戸潤さんの小説はほとんど一気読みなんですが、今回も500ページほどの長編をあっという間に読ませてしまう力量は凄いですね。
最新刊の「俺たちの箱根駅伝」も楽しみです。