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江戸の料理奥深き魅力「晴や、開店 人情おはる四季料理」倉坂鬼一郎~筍の臭和え、鰹の梅たたき

「晴や、開店 人情おはる四季料理」 倉坂鬼一郎 光文社文庫

 

 

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時代小説のご飯ものってすっごく増えてますよね。
私は「みをつくし料理帖」しか読んでいないのですが、江戸時代ってなんて豊かで美味しそうなんだろうと興味を感じていました。


もっと時代小説読んでみたいのだけど、シリーズ物が多く、本屋さんには一番新しい巻しかなくて手に取ることがなかったところ、こちらを発見!
倉坂鬼一郎さん自身も勿論初めてですが、この方たくさん時代小説出版されているんですね。ご飯小説が多いようなのでちょっと楽しみです。


 

「晴や、開店 人情おはる四季料理」あらすじ

 

本町同心(江戸幕府の下級役人のひとつ。庶務・見回りなどの警備にあたる)の優之進と妻のおはるが日本橋と京橋の間の大鋸町の裏通りに料理屋「晴や」を開店。優之助は優秀な同心だったが、仕事で起きた不幸な出来事から町同心を辞めて料理屋のあるじとして生きていくことを決意。最初は心もとなかったが常連客も増えていき、優之進の料理は評判を呼ぶことに。

 

「晴や、開店 人情おはる四季料理」感想

 

町同心を辞めて「晴や」のあるじとして生きていく優之進。
「晴や」で起きる事件の匂いを感じ解決してしまうところが小説にスパイスを与えてはいるけれど、全体的には人情味に溢れたほっこりとした穏やかな内容です。


悪い人が出てこないので若干物足りなさは感じるけれど、出てくる料理はどれも美味しそうで江戸時代の豊かさを感じます。「みをつくし料理帖」でも感じましたが江戸料理の豊富さに益々興味が湧いてきちゃいました。

また長屋の人情の厚さも江戸時代の象徴ですよね。子育てなど隣近所がみんなで面倒を見たりとか今の時代に失ったものが多々あります。
昭和の時代が脚光を浴びているけれど、もしかしたら江戸時代の方が学ぶべき点が多いのかもしれないですね。

 

本の中の美味しい料理

 

日本料理は江戸時代にほぼ完成し、現代に受け継がれています。
正直江戸時代の方が丁寧に調理しているようで、もしかしたら今より美味しいのではと江戸時代にタイムスリップしたいほど。

 

「晴や」も優之進が丁寧に作った料理はどれも旬の素材を使い、季節を感じさせる献立が目白押し。

 

たとえば中食(昼食)で出した定食。

 

脂がのった桜鯛の身がたっぷり入った鯛飯に、椀を持つとずっしり思い浅蜊汁。目に鮮やかで香りもいい筍の木の芽和えと、青蕗の煮物の小鉢、それに梅干しや沢庵などの香の物がつく。何がなしに春の山も彷彿させるにぎやかな膳だ。

「晴や、開店 人情おはる四季料理」より引用

 

花見弁当は太巻きと稲荷寿司、瓢型のだし巻玉子に蛤の佃煮、筍の直鰹煮に青菜のお浸しと現代と変わりない彩の良さ。

 

江戸時代も現代も高級魚とされている鯛料理がよく出てくるんですよね。

 

鯛のお刺身は勿論、鯛飯に鯛茶に鯛の煮物。鯛茶は胡麻醤油に、煮切った味醂を加えたものに鯛の切り身をつけ、昆布だしをそそいで薬味を添える。
鯛の煮物は豆腐や葱を合わせ、だし昆布を入れた薄めの煮汁でさっと煮る。鯛にしっかり下ごしらえをすることが美味しさのポイント。

 

他にも白魚の筏焼きなんてものも出てきます。
大ぶりの白魚を酒、醤油、味醂を合わせてつけ汁につけ、5匹くらいを串にさして筏のように、一晩陰干しにしてから軽くあぶるというなかなか手が込んでいます。

 

筍の臭和えは筍を唐揚げにして、葱をすりつぶし、味噌と酒をあわせたものをかけたもの。

 

千切りの独活にからし菜をすって裏ごしした青酢をかけた、春の野に見立てたという「春の雪」。

 

鰹の梅たたきは鰹のたたきに薬味をたっぷり載せて、梅肉だれをかける。

 

どのお料理も何だか今よりも手が込んで美味しそうじゃないですか。

 


巻末の参考文献に「再現江戸時代料理」という本が載っていたので、こちらを図書館で借りてみました。

 


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またこの本が秀逸!!
タイトル通り江戸時代の料理を再現しているのですが、家庭でも作りやすいレシピ本になっていて、どの料理も作って試してみたくなるものばかり。

こちらの本に「春の雪」と「筍の臭和え」が載っていました。

 

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「再現江戸時代料理」では「筍の臭和え」を

 

筍を葱味噌で和える取り合わせに、違和感を覚えたが、さて、調理して試食してみると、実に乙な味におどろかされた。

「再現江戸時代料理」より引用

 

と書いてあったので私もちょっと不安を感じたけど、江戸時代を感じたくて作ってみました。

 

筍の臭和え  レシピ

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材料(4人前)

 

筍(茹でた物)  400g

分葱       1把

西京味噌     100g

酒        少々

小麦粉、鷹の爪  少々

サラダ油、胡麻油 少々

 

1.筍を食べやすい大きさに切り、小麦粉を薄くまぶしておく。

2.サラダ油に胡麻油を少量まぜ、約170℃で二度揚げしてカラリとさせる。

3.分葱は小口から刻み、ざるにとって熱湯をかけ、水気をよく絞ってからすり鉢ですりつぶし。

4.西京味噌を加えてすり混ぜ、酒少量も加え調味し、筍を入れてさっと和える。

 

レシピには金山寺味噌少々を混ぜるとなっていましたが、こちらは省略。
葱に熱湯をかけることで葱臭さがなく、コリっとした筍との相性もよくて思った以上に美味しい!
筍の木の芽和えが一般的だけど、木の芽は和え衣ににするには相当な量が必要で結構お値段が高くなるのでほうれん草などで代用するのだけど、葱味噌の方が手軽でいいかもしれません。筍料理のレパートリーが増えましたね。

 

鰹の梅たたきも作ってみました。


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梅干しの種を取り除き、ていねいに裏ごしする。さらに、梅干しを細かく刻んだものも用意する。
鍋に裏ごしした梅肉を入れ、だしでのばして醤油と酢を加える。弱火でよく混ぜ、仕上げに水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
これで梅肉誰の出来上がりだが、刻んだ梅干しを加えると、かむごとに味が変わってなお深い味わいになる。

「晴や、開店 人情おはる四季料理」より引用

 

こちらは市販の鰹のたたきに長葱、生姜、青紫蘇、茗荷をたっぷり載せ、梅肉だれを添えました。
酸っぱいものが苦手な家族がいるので好みでポン酢か梅肉だれを選んでもらいます。

梅肉だれは梅干し2個を裏ごしし、1個は細かく刻み、醤油大匙1/2、酢大匙1/2、だし大匙2を鍋に入れて弱火で混ぜまず。これだとちょっと酸っぱいので甘味で蜂蜜小匙1加え、少し煮詰めます。これでとろみはつくので片栗粉は必要なしです。

 

こちらもいつもの鰹のたたきが一味違ったものになります。
梅の酸味がかつおをさっぱりさせて食欲が増しますよ。

 

 

まとめ

江戸時代の料理がたくさん詰まった1冊です。
昔から日本人は舌が肥えていたんですね。現代の私達にそのDNAはしっかり受け継がれているような気がします。
江戸のお料理、もっと深堀したくなりました。
続巻「ほっこり粥 人情おはる四季料理(二)」も発売されて、こちらもどんなお料理が出てくるのかちょっとワクワクです。



 

 

 

筍は生を茹でたものが絶対美味しい。5月下旬まで大丈夫です。