「最高のアフタヌーンティーの作り方」古内一絵 中央公論新社
アフタヌーンティー・・・。一度は行ってみたいと思いつつまだ実現出来ず。
食べきれるのかという不安とこの値段ならレストランできちんと食べた方がいいのではなんて考えて、まっ、行かなくてもいいのではとの結論に達した矢先にこの本に出会ってしまいました。
・・・・・・アフタヌーンティー、行きたくなりました。
「最高のアフタヌーンティーの作り方」あらすじ
老舗ホテルのマーケティングサービス課のアフタヌーンティーチーム。涼音は憧れのそのチームに配属され、初めて提出した企画書はシェフ・パティシェの達也に却下。
企画を練り直しながら、お客様や職場のスタッフ、また達也にも支えられながら、涼音なりの最高のアフタヌーンティーを見つめ直していく。
涼音と達也の関係が気になるところ。
アフタヌーンティーという魅力的でキラキラしたテーマを掲げながら外国人や障がい者差別、結婚出産と女性が抱える悩みなどの社会的問題やアフタヌーンティーの歴史など興味深い史実やマナーなども交えた読み応えある1冊です。
「最高のアフタヌーンティーの作り方」感想
きらびやかでちょっと敷居が高いと感じるアフタヌーンティー。
すぐに舞台のモデルは「椿山荘」だとピンときましたが、日本で一番最初にアフタヌーンティーを取り入れたのが椿山荘ということを初めて知り、またアフタヌーンティーの歴史も語られていて史実だけでも興味深い内容です。
今は全国様々なところでアフタヌーンティーは行われていて、当たり前のように四季ごとにメニューが組み替えられているのだけど、その裏で働くスタッフの苦労が垣間見れたような気がします。
登場人物のキャラもそれぞれ際立っていて、ドラマ化したら面白いだろうなぁ。
そして何といってもアフタヌーンティーに登場するスイーツやセイボリーの数々。
読んでいるだけで美味しそうでうっとりしてしまいます。
そんな魅力的なお菓子に対して涼音の祖父の言葉が染み入ります。
涼音、お菓子はちゃんと味わって食べなきゃいけないぞ。寝っ転がってテレビを見ながら食べたり、だらしなく際限なく食べたりしちゃ駄目なんだ。
お菓子はな、ご褒美なんだ。だから、だらしない気持ちで食べてたら、もったいない。
ご褒美は、受け取る側も誇りを持たなればならないのだと。
「最高のアフタヌーンティーの作り方」より引用
祖父の滋は東京大空襲でつらい少年時代を送っているので甘いお菓子がどれほど貴重なものだったかうかがい知れますよね。
お菓子は必ずしも必要不可欠なものではないけれど、豊かな気持ちにさせてくれることは確かだし、日々の生活の彩にもご褒美にもなるものだから、この言葉を噛みしめてもう少し大切にお菓子の時間を楽しまなくてはいけないと当たり前にお菓子をむさぼっている自分にちょっと反省しつつ、何度でも読み直したくなる私にとっては大切な1冊になりました。
本の中の美味しいスイーツ
登場するお菓子どれも興味深いものばかり。
大粒の苺を載せた、桜風味のムース、フランス産グリオットチェリーのコンポートがたっぷり入ったタルト。卵の黄身のソースを添えた瑞々しいグリーンアスパラガス。サーモンとソラマメと新じゃがのキッシュ・・・。
食べてみたいなぁと思ってネット検索したら椿山荘のアフタヌーンティーのレシピ本見つけちゃいました。
またこのレシピ本が超魅力的で、どれも本当に美味しそうなんですよ。
小説に出てくる桜のスコーンやピスタチオとグリオットチェリーのタルトや涼音がまかないで食べているミラノ風サンドイッチなどがレシピで記載されています。
どれも美味しそうなのでいつかチャレンジしてお家アフタヌーンティーを楽しんでみたいなぁと思います。
今回作ってみたかったのがスペイン・アンダルシア地方の伝統菓子「ポルボロン」。
アンダルシア地方の修道院の厨房から生まれたと伝えられるボルボロンは、「幸運を呼ぶお菓子」とも言われている。ポルボロンとは、スペイン語で「ほろほろと崩れる」という意味だ。
煎った小麦粉と、アーモンドプードルを使うこの菓子は、粘りのもととなるグルテンが少なく、口に入れた瞬間、柔らかく溶ける。
「最高のアフタヌーンティーの作り方」より引用
昔、お菓子教室で習ったことがあって、結構面倒だったのですが、作りやすいようにアレンジしてみました。
「ポルボロン」レシピ
約4cm直径約15個分
薄力粉 80g
バター 25g
シナモンパウダー 小匙1/2
ショートニング 25g
プラリネペースト 10g
(無糖ピーナツバターでも可)
粉砂糖 50g
アーモンドパウダー20g
(仕上げ用)
粉砂糖 適量
1.薄力粉をフライパンに入れ、弱火で10~15分程、薄く茶色に色づくまでたまに混ぜながら炒る。
2.バターショートニングをボウルに入れ室温で柔らかくする。
3.粉砂糖を加え、ホイッパーでよく混ぜ、プラリネペーストを加える。
4.アーモンドパウダーを加え、①の粉とシナモンパウダーを加え、木べらで切るように混ぜる。
5.手でひとつにまとめ、1cm厚さに四角く伸ばす。ラップに包み、1時間ほど冷蔵庫で休ませる。
6.4cmの丸型で抜き、オーブンシートを敷いた天板に並べ160℃で25分焼く。
7.天板のまま冷まし、粉砂糖を振る。
*生地はボロボロしてまとまりづらいですが、最後は手で少しこねるようにまとめてください。
噛むとホロホロっと崩れて甘みも丁度良く、我ながらうまくできました。
生地をまとめるのがちょっと大変だけど、とっも美味しいので是非作ってみてください。
型はこちらの3.8mmのものを使いました。
この型丸型と花形両方使えるので重宝しています。
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プラリネペーストはこちらです。
まとめ
涼音と達也の今後の関係が気になるところ。
どうやら「最高のアフタヌーンティーの作り方」の続編が「最高のウエディングケーキの作り方」で「婦人公論.JP」と「Web BOC」で連載されているようです。
単行本になるのが楽しみですね。
アフタヌーンティーはマインドフルネス。余計なことは何も考えずに、ひたすら美味しいものを満喫する。
そんな名言を発したソロアフタヌーンティーの鉄人の正体が「マカン・マラン」のあの人だと気付き、「マカン・マラン」も再読したくなります。
アフタヌーンティー、この本を読んだら行きたくなる事間違いなし!
お家アフタヌーンティーはいかがでしょうか?
買ってきたものを盛り付けるだけでも気分が上がりそう!
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収納場所が・・・という方にはこちらがお勧め。お値段も安いので、好きなお皿を組み合わせていつでもアフタヌーンティーが楽しめちゃいます。
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