「やっぱり食べに行こう。」原田マハ 毎日文庫
幅広い層から支持を受けている原田マハさん。
小説、アートと同じくらい「おいしいもの」が大好き!な著者が綴る美味エッセイ集です。
このエッセイ集は、食べる事や料理にまつわるエピソードを通じて、原田マハさんならではの感性が浮き彫りになって、何故あんな多くの良作を生み出すことが出来たのかを垣間見ることが出来ます。
文庫版なので他の小説を読んでいる間にサクッと読めちゃいますよ。
「やっぱり食べに行こう。」感想
毎日新聞「日曜くらぶ」で連載して、当時実は読んでいたのですがほとんど忘れていたので改めて文庫本として出版された時は本屋さんに飛びついてしまいました。
「朝ごはん」「麺」「シーフード・肉」「デザート」「アートとグルメ」「何度でも通いたい店」「欠かせない一品」と7つの項目でまとめられています。
とにかく原田マハさんの食へのこだわり、情熱、美味しいものへの執着、探求心が凄いことに感動。
長野県蓼科在住ですが、1年の1/3が東京他国内地方都市、1/3がパリとその他海外残りが蓼科での生活と忙しいでしょうが、ちょっと羨ましい環境です。
国内外のあらゆる美味しいものが登場しますが、美味しいものを食べた時の幸福感が感じられ、読んでいる私まで同じ喜びを分かち合えるような気分になります。
とにかく彼女の食欲が半端ない。
ヘミングウェイを敬愛しているマハさん。
「暗幕のゲルニカ」の取材で単身でスペインを旅し、ヘミングウェイが「日はまた昇る」を書いたというレストランに行き、彼の好物だったという子豚の丸焼き「コチニージョ」を注文。
どの位の大きさだったかは不明ですが、一人でペロッと平らげたのだとか。
こういう執着心が小説の原動力にもなるんでしょうね。
「やっぱり食べに行こう。」の中の気になる美味しいもの
なかなか食べられそうにもないものもありますが、簡単に作れる原田マハさんレシピも登場します、
「欠かせない一品」の「パクチーのサラダ」の一章。
ここで思い付いたのがパクチーのサラダ。日本でならもったいないとちょびちょび使うところを、バサッと一束丸ごとカットして、ごま油と塩とレモンで味付けし、ただそれだけで食べてみた。パクチーの香りとごまの香りが混じり合って、香ばしいことこの上ない。夢のようなサラダでsる。パクチーファンの方、ぜひお試しを。
「やっぱり食べに行こう。」より引用
ここではパセリに関しても
パセリをみじん切りにして、そこにカッテージチーズがまぶしてある。味付けは塩とレモンとオリーブオイル。ただそれだけのシンプルなサラダだったのだが、これがびっくりするほどおいしかった。
「やっぱり食べに行こう。」より引用
実は私、パクチーもパセリも大好きなんです。
パセリのサラダは作ったことがあったので、パクチーの方を作ってみました。
パクチーのサラダ
ただ買ったパクチーが意外と量が少なくて、パクチーだけでは貧弱なのでサニーレタスを混ぜました。
パクチーとレタスをお皿に盛りつけて、ごま油大匙1、塩小さじ1/2、レモン汁小匙1、こしょう少々を混ぜたドレッシングを作り、食べる直前に全体を混ぜます。
パクチー好きの方はたまらないですね。
パクチー好きならもっとパクチーを、苦手な方は他の野菜を多くすると大丈夫かなと思います。
ドレッシングもにんにくや醤油を加えても美味しいですね。
パセリのサラダは、私は葉をちぎって、細かくせずにそのままお皿に盛りつけ、ベーコンを多めのオリーブオイルでカリカリに炒め、油ごとパセリにかけて、塩、こしょうします。
パセリのモサモサ感が苦手な方は少し細かくしてもいいですが、そのままの方がなかなかワイルドな食べ方で緑黄色食べたって気がするんですよね。
パクチーもパセリもたまに束で安く売られているときがあるので、そんな時是非試してみてはいかがでしょうか。
岡山の白桃
もう一つ「「旬の中の旬」の白桃」では、岡山在住の友人から毎夏白桃を送ってもらっているそうで、その旬が7月下旬から8月上旬のたった2週間とのこと。
さらにその2週間のうちでMAXに甘みが増す「旬の中の旬」の時期がたった3日間で、これは天候とかで変動し、農家さんの肌感覚でしかわからないんですって。
その「旬の中の旬」の白桃を送ってもらっているって超羨ましい限りですね。
食べる直前に冷蔵庫に入れ、ひんやりしたところを、皮をするんと剥いて、いただきます!ひと口食べれば、のどに涼風が吹きわたる。おお白桃よ、君がいてくれれば暑い夏もやり過ごせるよ・・・・。
「やっぱり食べに行こう。」より引用
岡山の白桃・・・・。
「旬の中の旬」は難しいかもしれないけれど、桃は大好きなので予約してみようかな。
まとめ
小説の取材のためとはいえ、世界中を食べ歩くマハさんが純粋に羨ましくなりますが、読むだけで旅行に行ったような気分にもなれるし、美味しいものとその土地の文化等も感じられるエッセイです。
このエッセイ集を読むと、食べることが持つ力や魅力を再認識することができます。
国内外多くの美術館が登場するのも魅力。
美術館に併設されるカフェやレストランも行ってみたくなります。
エッセイを読んでから、食事の時間をより豊かなものにするヒントや、食べることから感じる喜びについて考えるきっかけを得ることが出来ると思います。
そして素直に美味しいものを楽しみましょう!!
原田マハさん、現在「ギフト」「さいはての彼女」「あなたは、誰かの大切な人」「アノニム」が読み放題になっています。
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